Column一覧

ウッドギャラリー柏和木

ウッドギャラリー

2025年3月11日、たまたま縁が有った七ヶ宿のウッドギャラリー柏和木の菊地さんを訪問した。
仙台からの道筋は、残雪による通行止めもあり、白石市から少し回り道をして辿りついた。
車を止めた泥濘の小道から、軒先に吹き溜まりの雪が残る白いギャラリーが見えた。
小生、ギャラリー内は数年前の写真でしか知らなかったが、内部の陳列は綺麗に整えられており、展示品の机や椅子は写真にはない質感と匂いを漂よわせていた。
微妙な曲線で構成された作品群は、そのフォルムと色合から独特な存在感を示していた。

ウッドギャラリーの柏和木の机と椅子
机と椅子
ウッドギャラリー柏和木の飾り机
飾り机

木工師の菊地久司さんは、注文が入ると別棟で作業をするそうだが、顧客の部屋を拝見し、使う方の暮らしぶりを思い描くと、インスピレーションが沸くそうである。そして、時を忘れて黙々と木と会話する。
木の職人であり、アーティストだとつくづく思う。

「作る前に何かリクエストを聞くのですか」
「いや、ほとんどお任せです。使い手や場所を考えて作品のイメージができます」
「ずいぶん山の中にありますね」
「音を出しても文句は来ないし、何より人の気配がないところが気に入っています」
世の中に一つしかない逸品ができる訳だ。