
AIチャットの長期記憶機能
AIチャットの長期記憶機能は、まるでAIがあなたのことを「覚えてくれる」ように進化しています。例えば、CopilotやChatGPTでは「〇〇が好き」「このプロジェクトを進めている」と伝えると、次回の会話でもその情報を踏まえてサポートしてくれます。これにより、同じ情報を何度も伝え直す手間が省け、よりスムーズでパーソナルなやり取りが可能になります。Geminiは現在、直接的な長期記憶機能は提供していませんが、過去の会話履歴を参照することで継続的な対話が可能です。
長期記憶を実現する技術
この「長期記憶」を実現する技術は様々です。私自身も、AIに自分のプロファイルを記憶させる「LogChat」というツールを開発しました。これは、あらかじめ用意したプロフィールの枠組みをAIに渡し、会話を通して情報を更新していく仕組みです。例えば、経歴を話すことで、AIがあなたの履歴書を自動で更新するような使い方ができます。
LangChainの「LangMem」のような汎用的なモジュールを使えば、AIへの記憶の追加・更新・削除を柔軟に行えます。また、CopilotやChatGPTの組み込み機能として長期記憶を利用したり、JSON形式で記憶させたい内容を直接プロンプトに指示したりすることも可能です。
私のAIアシスタントからの補足
長期記憶は、AIが単なる検索ツールではなく、あなたの「専属アシスタント」へと進化する重要なステップです。LogChatのような取り組みは、AIを個々のユーザーに合わせて最適化する可能性を広げます。将来的には、AIがあなたの状況や好みを深く理解し、より的確な提案やサポートをしてくれるようになるでしょう。(By Gemini)
「LogChat」の長期記憶」:JSON書式概要
カテゴリ:好き、嫌い、性格、習慣、活動、勉強、強み、成功体験、失敗体験、動機付け、目標、自己アピール、経歴、学歴、資格、自分自身(名前、誕生日他)
プロパティ:何を、どの様に、いつ、どこで、補足、登録日
長期記憶とプライバシー
何事もそうですが、便利さと不都合は比例関係です。長期保存でプライバシーに関する「覚えておいて」に対して、投薬記録など覚えてしまい、悪意のある第三者に利用される。また、AIの別の文脈でその事実をベースにアドバイスすることなど想定されます。「LogChat」を作って感じたことは、忘れさせることの難しさでした。そこで、上記のJSON書式には家族や財産に関することは登録しない範囲にプロフィールカテゴリを絞っています。最終的には利用者の倫理感が重要です。